用語集
1~9
- 3G-SDI
-
ビデオのデジタル信号を伝送するSDIにおいて、およそ3Gbps (2.97Gbps)のスピードがあり、1本の同軸ケーブルで1080pのHD映像を伝送できる。4Kでは4本、8Kでは16本のケーブルが必要となる。
- 3D LUT
-
LUTの入力を三次元にして、入力RGBのすべての組み合わせについて出力RGBそれぞれの値をあらかじめ書き込んだもの。メモリ量が膨大になるためテーブルのデータを間引く方法がよく使われる。線形補間をすることで変換誤差が出るが、データの特性によってこの誤差が画質に対して問題になる場合もあり、間引き数の選定やデータの持ち方などに注意が必要。
- 4K(4K×2K)
-
ハイビジョンの4倍に相当する高解像度映像の規格をいう。1920X1080のハイビジョンの水平解像度と垂直解像度がそれぞれ2倍になったもの。4Kという表現は、QFHD(Quad Full High Definition/ Quad Full HD/Quad FHD:3840×2160)とDCI 4K(Digital Cinema Initiative:4096×2160)の両方を含んでいる。
- 5G
-
「第5世代移動通信システム」のこと。4G(GはGeneration)の次の世代の通信システム。超高速・大容量、大量接続数、超低遅延を実現する。2020年にサービス開始された。
- 8K(8K×4K)
-
ハイビジョンの16倍に相当する7680×4320の高解像度を持つ映像の規格をいう。1920X1080のハイビジョンの水平解像度と垂直解像度がそれぞれ4倍になったもの。スーパーハイビジョンとも言う。
- 12G-SDI
-
3G-SDIの4倍のスピードを持つ規格。4Kを1本、8Kを4本の同軸ケーブルで送ることができる。
- 100GEthernet(100GBase)
-
100Gbps(100Gビット/秒)のスピードを持ったイーサネット。IEEEで世界標準規格化されている。400Gbpsやさらに高速のものも検討されているが、コストや伝送距離などとの兼ね合いから現在は100GbEが高速なイーサネットとして普及している。
A
- AES/EBU Audio Engineering Society / European Broadcasting Union
-
プロ用デジタル音声機器の伝送規格。1本のケーブルで、2chの音声信号、同期信号、タイムコードや任意のキャラクター(文字)などの伝送が可能。プロ用音響機器の専門団体である、アメリカのAESおよびヨーロッパのEBUの2団体が規格化した。
- AIMS Alliance for IP Media Solutions
-
放送業界やメディア業界におけるケーブル(SDI)からネットワーク(IP)伝送への移行にあたり、2015年に設立された非営利のコンソーシアム。SMPTE、EBU、AESなどとも相互互換性を保証するオープンスタンダードを定め、世界的に普及させることを目的としている。2022年現在、60社を超える多数の企業が参加している。
- ALLM Auto Low-Latency Mode
-
自動低遅延モード。HDMI2.1でサポートされている。モニターに接続するゲーム機が特別な信号をモニターに送り、モニター側を自動的に低遅延モードに切り替える働きをする。このモードが働くには映像ソース側(ゲーム機など)とモニターの双方がALLMに対応している必要がある。
- AOCケーブル Active Optical Cable
-
アクティブ光ケーブル。ケーブル自体は光ファイバーで、両端のコネクタに電気信号/光、光/電気信号の変換器が内蔵されており、伝送は光で行われる。一般に銅線より高速な信号を長距離伝送することができるため、伝送距離や信号速度に応じてメタルケーブルと使い分ける。特に1Gbit/sを超える伝送において活用シーンが増えており、データセンタ内のデータ伝送、業務用カメラの映像伝送、産業用ロボット、医療機器などに使われる。
- ARC/eARC Audio Return Channel / enhanced ARC
-
ARCはHDMIケーブルでデジタル音声信号を逆方向に送り返す機能。ARC対応のテレビとAVアンプをHDMIケーブルで接続し、テレビの音声信号をAVアンプで鳴らすことができる。eARCはオーディオ信号の仕様が拡張され、最大8チャンネルの24ビット、非圧縮192kHzオーディオが伝送できる。非圧縮の5.1ch/7.1chや、HDオーディオを扱える。ARCでは8K放送で使われるMPEG4-AACで圧縮された22.2ch音声の伝送も可能。
- ARIB Association of Radio Industries and Broadcast / 社団法人電波産業会
-
(社)電波産業会の英語名。通信・放送分野における電波利用システムの実用化およびその普及を促進し、電波産業の健全な進歩発展を図る観点から、電波の利用に関する調査、研究、開発、コンサルティングなどを行う機関。
- ARRIRAW T-link
-
ARRIRAWと呼ばれる独ARRI 社が定めた2880x1620 ピクセル非圧縮12ビットベイヤーデータ出力を、HD-SDIデュアルリンクによって転送する手段。
- astrosnap ASTRO Super Natural Motion Picture
-
アストロデザインが独自に開発した、I/P変換(インターレース映像をプログレッシブ映像に変換)における技術でアストロデザインの登録商標。I/P変換を行う場合、前後フィールドデータの単純な加算などを行うと、斜め方向の画像に不要なギザギザが発生し、原画像の自然さを損なうが、astrosnapは斜め方向のデータ補間におけるアルゴリズムにより、原画像の自然さを損なわずにI/P変換を行うことができる。
B
- BTA Broadcasting Technology Association / 放送技術開発協議会
-
放送技術開発協議会の英語名。1985年に設立され、1995年に(財)電波システム開発センター(RCR)と合併し、(社)電波産業会(ARIB)となる。
C
- CoaXPress
-
産業用画像処理などの分野で、高速な画像デジタルデータを伝送するために2008年に初めて開発されたインターフェース規格。伝送ケーブルに75Ωの同軸ケーブルを使うのが特徴。産業用カメラと、画像処理するコンピュータ(PC)の間を同軸ケーブルでつなぐ。伝送速度が最大で12.5Gbpsと高速で、中継なしで長距離を伝送できる。CXPと略される。
- CEC Consumer Electronics Control
-
HDMIの持っている制御機能。テレビとブルーレイプレイヤー、AVアンプ、ゲーム機などをHDMIケーブルで接続したとき、CECの機能を使ってテレビのリモコンから接続された他の機器をコントロールする。ケーブルの中の1本のラインを専用に使い、複数の機器でこのラインを共有して相互に通信しながら行う。CECの機能には各社固有の名前がつけられているが、昨今ではなるべく各社共通に利用できるようにする方向に進んでいる。
- CPU Central Processing Unit
-
コンピュータが行うあらゆる汎用的な計算をするチップ。
- .cube形式
-
1DLUT、3DLUTのデータファイルを扱うテキスト形式のデータ。ファイルはヘッダ部分とデータ部分に分かれていて、ヘッダ部分にLUTのサイズなどが、データ部分に実際のLUTデータが書かれている。映像変換LUTを扱えるソフトウェアやハードウェアで読み込み、カラーグレーディングなどを行う。
- CUDA Compute Unified Device Architecture
-
クーダと読む。NVIDIA社が開発・提供している、GPU向けの汎用並列計算処理のアーキテクチャーやプログラミング環境のこと。大量な計算を高速に行いたいとき、コンピュータに載ったNVIDIAのGPUをCUDAから使用してプログラムを書いて動かす。GPUを汎用的な計算に流用するための、C言語をベースにしたライブラリ。
D
- Dante
-
オーストラリアのAudinate社が2006年に開発した、イーサネットで多チャンネルのデジタル音声信号を低遅延で伝送する技術。1000base-TのLANケーブル1本で最大512chの音声信号をリアルタイムで送受信する。レイテンシーは0.25mS~となっており、リアルタイムの音響システムで使用できる。
- DDC Display Data Channel
-
ディスプレイ装置のプラグ・アンド・プレイ(コンピュータに拡張カードを追加する際、OSが自動的にカードを検出して最適な設定を行うシステム)を実現させるための規格。ディスプレイとビデオカードの間で、ディスプレイの許容解像度、色深度、走査周波数、製品の型番等の情報を交換することで実現される。
- DisplayPort
-
パソコンやDVDプレイヤーなどの機器にディスプレイを接続する規格のひとつ。DVIやVGAなどの規格の後継と目されており、コネクタ形状もそれらより小型である。また、音声データの伝送や、DPCP(DisplayPort Content Protection)と呼ばれるコンテンツの著作権保護のための規格にも対応している。また、複数のディスプレイを数珠つなぎにし、簡単にマルチディスプレイ環境を構築することもできる。
- DLP Digital Light Processing
-
Texas Instruments (TI)社によるプロジェクタ投影技術。DMD (Digital Mirror Device)と呼ばれるTI社独自のチップを使ってカラー映像を投影する。画像が滑らか、明るい、黒の再現性が良い、残像がない、経年変化が少ないといったメリットがある。
- DVB Digital Video Broadcasting
-
35ヶ国300以上の放送局、メーカー、ソフト開発会社等で構成されるデジタルテレビ放送のための団体。
- DVB-ASI
-
DVBが規格で定めているインターフェース(EN 50083-9)で、MPEG-2 TSパケット(188バイト, 204バイト)の伝送に使用される。DVB-ASIは非同期式シリアルインターフェースで同軸ケーブルで伝送され、電気的仕様はSD-SDIに類似しており、物理層は270Mbps固定だが8B/10B符号化により、伝送可能なTSレートは最大でも216Mbps未満(フルレート 213Mbps)となる。
- DVI Digital Visual Interface
-
コンピュータと液晶ディスプレイなどのデジタル駆動ディスプレイを直接デジタル信号で接続するためのインターフェース規格の一つ。Silicon Image社が開発したTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)というシリアル転送方式を採用している。従来は、コンピュータ側のデジタル画像をいったんアナログ信号に変換してディスプレイに送出していたが、DVIを使うとアナログを介さないため信号の劣化がなくなり、画質が向上する。
- D端子規格
-
“家庭用テレビやVTRとデジタルチューナーを接続する端子で、D1〜D5端子規格まである。それぞれ、接続する機器の特性などに合わせて違いがあり、家庭用映像機器に高画質映像を容易に接続することができる。
D端子規格 480i 480p 1080i 720p 1080p D1端子 ○ × × × × D2端子 ○ ○ × × × D3端子 ○ ○ ○ × × D4端子 ○ ○ ○ ○ × D5端子 ○ ○ ○ ○ ○
E
- EDID Extended Display Identification Data
-
コンピュータとディスプレイがグラフィックカードに対してディスプレイの性能を伝えるためのデータ構造。EDIDによってパソコンは、どのようなモニタが接続されているかを知ることができる。この中にはメーカー、型番、蛍光体やカラーフィルタの種類、対応する信号タイミング、輝度、ピクセルマッピングデータなどが格納されている。
- eDP embedded DisplayPort
-
映像機器とディスプレイを接続する規格であるDisplayPortにおいて、PCのマザーボードをモバイルPCに組み込まれているディスプレイに接続するなど内部インターフェースのために使われる標準規格。
- EIA Electronic Industries Association
-
米国電子機械工業会の英語名。電子工業関係の各種規格・基準・測定法の統一などを行っている団体。
- eSATA External Serial ATA / External SATA
-
コンピュータに外付けハードディスクなどを接続するためのインターフェース規格であるシリアルATA(SATA)の拡張規格。イーサタとも呼ばれる。一般にUSBより転送速度が高く、ケーブル最大長2m、ホットスワップ(電源ONのまま抜き差し)が可能となっている。
F
- FRL Fixed Rate Link
-
HDMI2.0が高速のHDMI2.1になったときに導入された伝送技術。これまで可変だったクロック周波数が固定周波数になったことから名付けられている。クロック信号をデータの中に埋め込むことで、従来クロック信号に割り当てていた1本分の伝送チャンネルを開放し、4チャンネルすべてをデータ信号伝送に使用。3倍近い高速化によって、1本のHDMI2.1ケーブルで8K/60Hz 4:2:0の映像信号伝送を実現した。
- FVA Fast VActive
-
HDMI2.1の規格の一つで、映像データの転送スピードを上げる手法。データの送り出し側で1フレーム分の映像データがそろったら、HDMIのクロック速度を上げて高速にデータをディスプレイ側に送信し、ディスプレイ側はデータを受信したらすぐに表示することで遅延を抑える。クイック・フレーム・トランスポート (QFT)とも言う。
G
- GVIF Gigabit Video Interface
-
1996年にソニーが発表した映像伝送技術の規格。
元々はノートPCなどで本体とディスプレイを接続する技術として開発され、その後は車載映像伝送に広く採用されている。 - GigE Vision
-
ギガビットイーサネットを使ってマシンビジョンのデジタルカメラを接続する、産業用画像処理分野の標準規格。2006年に初めて標準化された。複数のカメラをイーサネットケーブルでネットワークに接続し、処理側のPCは通常のギガビットイーサネットのポートで受ける。100mの長距離伝送可能、専用の画像入力ボード不要、広く普及しているイーサネットの資産がそのまま使える、ネットワーク接続のため接続形態がフレキシブル、など多くのメリットがある。
- GPU Graphics Processing Unit
-
コンピュータのグラフィックス関係の計算を処理するための専用のハードウェアチップ。グラフィックワークステーションやパソコンの進化に伴い、その画像の計算表示に必要な処理に特化したハードウェアとして進化した。3DCGなどの膨大な計算を高速に行うことができる。
H
- HDCP High-bandwidth Digital Content Protection
-
コンテンツを不正にコピーされることを防ぐために開発された映像規格。送信側(パソコン、DVDプレイヤーなど)から受信側(モニタ、テレビなど)に映像信号を送る際、送信側が受信側の機器の認証を取り、個別のKEYや認証の際に作られたランダム値で暗号化を行うことで、コンテンツが第三者に不正にコピーされることを防ぐ。
- HDMI High-Definition Multimedia Interface
-
ディスプレイ接続技術のDVIを、AV向けに仕様をアレンジしたもの。 音声データの伝送やコンテンツの著作権保護のための規格にも対応している。DVIはパソコン向きに作られた方式で、テレビ用としては重装備、コネクタ寸法が大きい、ピン数が多い、テレビ映像信号との相性が悪いといった問題があり、これらを解決して民生用として最適化している。
- HDMI2.1
-
2017年11月にリリースされたHDMIの最新バージョン。48Gbpsの帯域を持ち、ケーブル1本で8K映像(60Hz,4:2:0)を送ることができる。Dynamic HDRやeARC(enhanced ARC)、Variable Refresh Rate(VRR)といった新機能が加わった。
- HDTV High Definition Television
-
高精細度テレビとして、NHKが1985年に実験放送を行い、日本が主になって開発した放送規格。ハイビジョンとも呼ぶ。解像度は1920×1080で、それ以前のSDTV(NTSC)のおよそ5倍、画角も4:3から16:9のワイド画面になっている。1125本(全ライン数)規格についてはARIBのBTA-S001B〜006B規格があり、SMPTE規格はそれとほぼ同じである。現在、デジタルシネマを意識した規格も開発され、1920×1080のほかに1280×720があり、垂直周波数もSDTV(NTSC)との互換を基準にした59.94Hzインターレースのほか、映画との互換を考慮した24sF(セグメントフレーム)など様々な規格が存在する。
- HD-SDI High Definition Serial Digital Interface
-
HDTV規格のシリアルデジタルインターフェース(SMPTE 292M)。信号ビットレートは約1.5Gbps。HDTVコンポーネント信号の同軸ケーブルまたは光ファイバーケーブル用ビットシリアルデジタルインターフェイスを用いる。フォーマットとしてSMPTE 260M、295M、274M、296Mがあり、ブランキング期間を利用した補助データとして音声データ(最大16ch)やタイムコードなども伝送できる。
- HEVC High Efficiency Video Coding
-
動画圧縮の規格。H.264の後継の規格であるH.265のこと。圧縮効率はH.264のおよそ2倍、MPEG2の4倍相当。 多様なブロックサイズの混在や、予測方向の数を増やすなどのテクニックで高圧縮率を実現。
- HFRTC High Frame-Rate Time-Code
-
120Hzに対応できるように作られたタイムコード。SMPTE ST12-3として2016年に規格化されている。時間:分:秒:フレームの情報に加えて2ビットの情報を追加し、1/30秒内に00, 01, 10, 11の4つ分をカウントできるようにして120Hzに対応する。
- HLS HTTP Live Streaming
-
インターネットでストリーミング動画(ライブ動画配信)を送る仕組みのひとつ。ネットワークのデータやり取りの手順(プロトコル)にHTTPというWebサイトをブラウザで表示する仕組みをそのまま使っているため、一般的なWebサーバーを使って動画を提供できる。
- HPD Hot Plug Detect
-
外部機器をコンピュータにケーブルで接続するとき、電源を入れたまま行うことができることをホットプラグという。ホットプラグ検出(HPD)とは、ケーブルの信号線を使ってホットプラグのための電源ステータスなどを検出する機能。HPDに対応していれば、電源を入れたままケーブルを接続しても自動的に機器が認識されてすぐに使える。USB、IEEE 1394(FireWire)、Serial Attached SCSI、PCI Expressボード、HDMIなど多くのインターフェースに実装されている。
I
- IPDC
-
放送波にIP(Internet Protocol) パケットを載せて、色々なデバイスに、テキスト、 静止画、動画、音声などのデータを一斉同報で送る技術。放送波を受信する、スマートフォン、家電製品、サイネージといった各種端末に、動画、音声、観光情報、災害緊急情報といった情報をマルチメディアデータとして送り、補助サービスを展開できる。
- IP Encapsulation
-
IPカプセル化。TCP/IPのデータパケットをカプセル化してMPEG-2 TS(トランスポートストリーム)に多重すること。IPDC (IP Datacasting、IPデータキャスト)の送信側で用いられ、ISDB-Tmm放送の蓄積型放送で運用されている。カプセル化の方式にはMPE (Multiprotocol Encapsulation, ETSI EN 301 192)、ULE (Unidirectional Lightwight Encapsulation, RFC 4326)などがあり、またROHC (RObust Header Compression, RFC 3095)というヘッダ圧縮が併用される場合がある。対になる言葉はIP Decapsulation。
- IPMX Internet Protocol Media Experience
-
IPネットワーク伝送による映像音声の規格SMPTE ST 2110をベースにして多種多様な解像度、フォーマット、帯域幅、圧縮/非圧縮の映像音声、コピー管理、制御信号フォーマットなどの機能を盛り込んだAV over IPのオープン規格。AIMS (Alliance for IP Media Solutions) により策定された。
- IPv4
-
現在インターネットなどで普及している32ビットのIPアドレスを使用した通信方式のこと。ただし、インターネットの急速な普及により新たに割り当てるアドレスが枯渇する問題が危惧され、128ビットのアドレスを持つIPv6が開発されている。
- IPv6 Internet Protocol version 6
-
IPアドレスの枯渇が危惧されている現行のIPv4をベースとし、アドレスを128ビットに拡張し、さらにセキュリティ機能の追加などがなされた次世代の通信方式。
- IPコード Ingress Protection
-
2003年に国際電気標準会議で決められた防塵と防水のレベルを表す規格。IP〇〇の後の最初の〇は防塵を、次の〇は防水のレベルを表す。防塵はレベル0からレベル6、防水はレベル0からレベル8まであり、0は保護なしで、数字が大きいほど性能が優れている。保証が無い場合はXが入る。
- ISDB Integrated Services Digital Broadcasting
-
ISDB(Integrated Services Digital Broadcasting、統合ディジタル放送サービス)とはNHKが中心となって開発され、日本及び中南米諸国などで採用されているデジタル放送の方式。衛星デジタル放送用のISDB-S、地上デジタル放送用のISDB-T、地上デジタル音声放送用のISDB-TSB、デジタルケーブルテレビ用のISDB-Cなどがある。
J
- JPEG2000
-
画像圧縮方式JPEGの後継となる規格。同圧縮率であればJPEGよりはるかに高画質な画像が得られるのが特徴。JPEGで採用されていたDCT(離散コサイン変換)をウェーブレット変換に替えることでブロックノイズが抑制されている。また、電子透かしの埋め込み、特定領域の画質向上など多機能なのも特徴。難点としては、処理負荷が大きいこと、現行JPEGとの上位互換性がないこと。
- JPEG XS
-
2019年に規格化された画像圧縮規格。高画質かつ低遅延で計算負荷の小さい軽量な画像伝送が必要な用途をターゲットに開発され、動画でも使用できる。視覚的に劣化が分からないレベルの画像圧縮が得られ、圧縮率は約1/6程度(1/2から1/15)と言われる。圧縮のアルゴリズムが軽量で圧縮(エンコード)と再生(デコード)で必要な計算量が少なく、伝送時の遅延量が小さくて済むためリアルタイムの映像伝送に向いている。ハードウェアへの負荷が少ないので、送受信での消費電力も小さくできる。従来手法のウェーブレット変換と量子化、そしてエントロピー符号化(データのパターンの頻度を利用して圧縮する)などを組み合わせ、画質と軽量化を優先させて設計されている。
L
- LLDP Link Layer Discovery Protocol
-
イーサネットなどでつながったネットワーク上の機器が、自分の機器の識別情報や設定情報をネットワーク上に定期的に通知し、同時に他の機器からの情報を検知する機能の手順を定める規格。自分がつながったネットワークに何がつながれているか知ることができ、それによって機器の構成を確認したり自動設定したりするのに使われる。IEEE 802.3ABとして決められた国際規格。IDやポート番号、ポートの説明、システム情報、機器情報等を通知する。
- LLM Large Language Model
-
ChatGPTなど対話型AIの中核をなす要素技術。脳細胞をコンピュータ上で模した手法のニューラルネットによる対話学習をベースとし、巨大化することで生まれた大規模言語モデル。ウェブページ、ニュース記事、書籍、会話ログなどの数百億から数千億単語の大規模文書データベースを学習データに使い、数十億から数百億のニューロンの重みをはじめとする大規模パラメータを学習させ、数千から数万個のGPUを使い、数か月にも渡って連続的に学習して出来上がった。現在はいくつもの独自LLMが世界で作られており、日本でもスーパーコンピュータ富岳を使って日本語に特化したLLMが作られている。
- LPWA Low Power Wide Area
-
低消費電力で比較的広い範囲をカバーできる無線通信ネットワークの総称。BluetoothやWi-Fiよりも広い、数キロメートルから数十キロメートルをカバーし、データ通信速度はあまり速くない。監視やモニタリング、遠隔管理など、いわゆるIoT(Internet of Things)における無線ネットワークに主に使われる。通信免許の必要なライセンス系と、ライセンス不要なアンライセンス系があり、前者にLTE-MやNB-IoTが、後者にZETAやSigfox、LoRaWAN、ELTRES、Wi-SUNなどがある。
- LUT Look Up Table
-
入力の値に対する出力の値の表(テーブル)をあらかじめメモリー上に置き、これを参照することで入力に対する出力を得る方法のこと。画像の色変換であれば、RGBに対してLUTを3つ用意して、0から255までの入力に対する出力の値のペア256個を用意してメモリーに置いておき、入力RGBの各値でこの3つのLUTを引いて(アクセスして)出力のRGB値を得る。メモリーをアクセスするだけなので非常に高速で、リアルタイム画像処理に向いている。
- LVDS Low Voltage Differencial Signaling
-
デジタルデータ伝送において伝送速度を上げるため信号電圧を数百mVと低くし、雑音に弱くなる分を従来のシングルエンド伝送からツイストペアによる差動伝送で補い、高速伝送を可能とした規格。これまでノートPCから液晶ディスプレイまで広く使われてきた。2010年現在、その性能の限界から特に高性能液晶ディスプレイなどで新たな規格への移行が進み始めている。
M
- MADI Multichannel Audio Digital Interface
-
1991年に発表された多チャンネルのオーディオデジタル信号を伝送する規格。読み方は「マディ」。1本で56チャンネル分のデジタルオーディオデータを伝送する。2001年にMADI-X(MADI-Extended)と呼ばれる拡張規格ができ、最大64チャンネルのデジタルオーディオデータを伝送可能となった。同軸ケーブルで最大100m、光ファイバーケーブルで2kmの伝送が可能。
- MHL Mobile High-definition Link
-
米Silicon Image社が開発した携帯機器向けの高速映像伝送用のインターフェース規格で、USBコネクタを使って非圧縮HDTV、音声信号、制御信号を伝送できる。
- MMT MPEG Media Transport
-
ISO/IEC 23008 Part1として2014年3月に標準化された次世代メディア伝送の国際標準規格。HEVCや3D Audioなどを含む標準規格MPEG-Hのシステムパート。IP(Internet Protocol)での伝送に基づいた方式。日本のデジタル放送においては、次世代超高精細度放送における標準規格として、ARIBによりSTD-B60として策定された。
- MPEG Moving Picture Experts Group
-
映像および音声信号の符号化に関する、デジタル圧縮フォーマットを規格化する団体あるいは、規格そのものの名称。DVDや動画伝送、デジタル放送などの映像音声信号の圧縮方式として広く採用されている。
- MPEG-2 Moving Picture Experts Group phase 2
-
1995年にMoving Picture Experts Group(MPEG)によって決められたデジタル標準規格。映像音声信号の他、システムなどについても規格化されている。さまざまなメディアでの利用を想定して、複数の解像度、圧縮率がある。標準テレビ(SDTV)およびHDTVデジタル放送からDVD記録などまで幅広く利用されている。
- MPEG-2 TS
-
デジタル放送やDVD、ブルーレイなど、連続した映像を伝送・保存再生するための規格。高効率で信頼性の高いデジタルコンテンツの伝送と保存を可能にする標準フォーマットとして広く使われている。映像・音声・テキストデータなどをそれぞれ圧縮して用意し、それらすべてをパケットというデータパッケージに分割し細分化する。各パケットのデータは188バイトの固定長で、頭に4バイトのヘッダがあり、そこにはPID (パケット識別子)その他が書かれており、残りはペイロードというデータ領域になっている。このPIDを持った各パケットが、ソースの映像音声のどの位置にあたるか、どの番組に属しているか、などの情報(PAT(Program Association Table)やPMT(Program Map Table))が記載されたパケットも送られる。これらの情報を基に、受信側は伝送路に流れて来るパケット群を受け取り、元の映像音声を再構成する。細かくパケット毎に細分化され、それぞれ誤り訂正機能を備えており、伝送路の不良による映像音声のロスも小さくなる。また、PCR(Program Clock Reference)という、送信側と受信側で同期をとるための情報もパケットの中のデータとして送られる。複数の番組を一斉に送り、受信側で選択し再生することもできる。
- MPEG-4 AAC Moving Picture Experts Group phase 4 Advanced Audio Coding
-
MPEG-4はMPEG-1、MPEG-2の後継で、映像音声目的では最終版の規格。音声信号圧縮方式のAACをMPEG-4に収めたものがMPEG-4 AAC。高度なアルゴリズムによってMP3をさらに改良し、圧縮性能を高めている。デジタルオーディオプレーヤ、ゲーム機、携帯電話など、多くの機器で採用されているほか、4K/8K衛星放送の音声規格としても使われている。
- MPEG-DASH
-
HTTPでストリーミングビデオ(切れ目の無い連続した動画)を送る標準規格。動画圧縮技術の規格ではなく、MP4やH.264により圧縮された動画データをHTTPでストリーミングするための規格。
- MTF Modulation Transfer Function
-
空間周波数特性。カメラで画像を撮るとき、どれぐらいの解像度で絵が撮れるかを数値で表したもの。フィルムカメラ時代にレンズの解像度特性を表わすために使われた。現在ではレンズに限らず、デジタルカメラとしてカメラ本体の様々な機構を含んだ総合的な解像度特性を測る目的でも使用される。
- Multiplexer(マルチプレクサ)
-
ふたつ以上の入力をひとつの信号として出力する機構を一般にMultiplexerという。デジタルデータ伝送においては、複数のデジタルデータストリームをまとめ、一本のより高いデータ転送レートで送り出す機構を意味する。対になる言葉はDemultiplexer。
N
- NTSC National Television System Committee
-
白黒テレビとの両立性を考えて開発されたカラーテレビ方式で、日本、米国、カナダなどで採用されているSDTVの標準方式。映像信号はインターレース走査、水平走査線数525本、29.97フレーム/秒、59.94フィールド/秒、輝度信号は4.2MHz。このほかのSDTVとして、韓国や中国などアジア、オーストラリア、イギリス、欧州の一部で用いられているPAL(水平走査線数625本、25フレーム/秒、50フィールド/秒)、フランスにおいて開発され、東欧、アフリカなどで採用されているSECAM(水平走査線数625本、25フレーム/秒、50フィールド/秒)がある。
O
- OFDM Orthogonal Frequency Division Multiplexing
-
直交波周波数分割多重と訳される、無線などで用いられるデジタル変調方式の一つ。互いに直交する多数のサブキャリアにデジタルデータを変調するマルチキャリア変調方式。地上波デジタル放送、無線LAN、電力線モデムなどの伝送方式に広く採用されている。
- OLED Organic Light Emitting Diode
-
発光素子のLEDが有機物(Organic)で出来ているもの。有機体に電気を流すことで発光する原理で、ディスプレイのデバイスとして使用される。有機体の化学構造を変えてRGBの発光色を作るか、白色発光をRGBカラーフィルタに通すことによってカラー画像を作り出す。液晶と比較して、バックライトが不要のため薄くできる、電気をかけなければ光らないので完全な黒を表現できコントラスト比が高い、LED発光のため画面応答速度が速い、バックライトが無く薄いので曲がるディスプレイが作れる、液晶のバックライトのように常に点ける必要がなく省電力にできるといったメリットがある。
- OpenCV Open Source Computer Vision Library
-
画像処理、映像解析、機械学習など多くの機能を持つオープンソースのソフトウェアライブラリ。インテルが2000年に発表し、現在まで多くのアップデートが成されてきた。各種OSや言語に対応し、その機能は数千種にのぼる。ユーザーは豊富なライブラリ機能を組み合わせていろいろなアプリケーションを作り出すことができる。基本的にはCPU上で動くが、GPU上で動かすことができるライブラリなども充実し、複雑な処理も高速で実行できる。
P
- PCI Express PCI-Ex
-
拡張I/Oシリアルインターフェース規格のひとつで、2002年にPCI-SIG(PCI Special Interest Group)によって策定された。PCIバスなどの欠点を補うべくIntelによって進められた3GIO(3rd Generation I/O)が基になっている。本規格をベースとしたPCカードの規格であるExpressCardも策定され、ノートPCへの採用も進んでいる。
- ProRes
-
ProRes(プロレズ)は、Apple社が開発した映像圧縮フォーマット。圧縮はフレーム内のみの映像圧縮アルゴリズムを使っており、デコードの負担が軽く、高画質であるため動画編集に適したコーデック。Apple製品群の中でスムーズに作業ができる目的で作られているが、他のマシンでも使用可能。映像圧縮で一般的なH.264(およびH.265)は高圧縮で低ビットレートに設計されているため、配信はH.264で、編集は効率と画質が良いProResで行う、という考え方ができる。
- PSI Program Specific Information
-
映像や音声以外のプログラム情報としてTSに挿入されるパケット。TSでは複数のプログラムを取り扱うことが可能だが、そのTSにどのようなプログラムが存在し、TSに含まれる各ESがどのプログラムに属しているかが記述されている。類似情報と合わせてPSI/SIやSI/EPGなどと記載される場合がある。
- PTP Precision Time Protocol
-
イーサネットなどでネットワークにつながっている機器のそれぞれのタイミングを、高精度に同期させるための仕組み。同期精度は1マイクロ秒以下で非常に高速。
R
- ROI Region of Interest
-
日本語では「関心領域」。画像処理やコンピュータビジョンの分野で、画像の中でフィルタや画像認識などの対象にしたい領域を、他の領域と分離すること。領域設定は手動と自動があり、手動では画像を見ながらマウスなどで領域を指定する。自動の場合は、色情報やエッジ情報などを使うほか、機械学習でROIの自動抽出を行うこともある。処理のターゲットになる領域を事前に指定しておくことで、処理の計算量が削減され、余計な情報が処理に入らないため、処理を精度よく行うことができる。
- RS-485
-
シリアル通信の規格の一つで、米国電子工業会(EIA)によって標準化された。RS-422の上位規格。ケーブルの最大長は1.2km、最高通信速度は10Mbps。パソコン本体とプリンタ、モデム、スキャナなどの周辺機器を接続するのに使われる。
S
- SDI Serial Digital Interface
-
ビデオのデジタル信号を伝送する規格。BNCコネクタのついた同軸ケーブルが主に使われ、最大100mの遠方へ伝送できる。主にプロフェッショナルの放送局や映像プロダクションなどで使われている。
- SD-SDI(D1-SDI)
-
ITU-R 601(CCIR 601)規格に準拠した放送用デジタルビデオテープフォーマット。デジタルなのでほとんど劣化なしにダビング作業が行なえ、テレシネなど他のシステムとメディア変換なしにインテグレートできる非圧縮フォーマット。コンポーネント・システムであること、高輝度帯域幅の広さなどにより、スタジオやポスト・プロダクションの現場で広く用いられている。
- SDP Session Description Protocol
-
インターネットで映像や音声のストリーミング伝送を始める前にそのセッションの告知や招待が必要な場合に、その情報を記述したテキストデータを送るための規格。IETF(Internet Engineering Task Force)でRFC 4566として標準化された。セッションの名称や説明、所有者や問い合わせメールアドレス、開始・終了時刻、接続方法、帯域情報、メディア情報などがUTF-8のテキストとして記述される。
- SMPTE Society of Motion Picture and Television Engineers
-
米国映画テレビ技術者協会の英語名。映画テレビの国際的な研究機関の一つで、映画テレビの技術に関する各種の推奨規準が検討、発表されている。SMPTE規格において規定されているものにSMPTEカラーバーやSMPTEタイムコードなどがある。
- SMPTE ST 2022-7
-
SMPTEによって策定されたデジタル映像をIPネットワーク上で伝送するときの規格。 SMPTE ST 2022-7はその7つ目で、デジタル映像データを複数の伝送路で送ったとき、それぞれ遅延時間の異なる伝送路を受け側でシームレスに切り替えられるように規定したもの。
- SMPTE ST 2110
-
ビデオ信号をIPネットワークで伝送する標準規格で、2017年の9月にSMPTEによって策定された。
映像データ、音声データ、補助データの三種をばらばらにパケット化して送ること、データパケットどうしの同期を正確に取れる仕組みが加わったことが特長。 - SMPTE ST 2110-30
-
メディアデータをIPで伝送する一連の規格の中のひとつ。音声のデータストリームのフォーマットや、チャンネル数、サンプリング周波数、レイテンシーなどの必要な要件が規定されている。
- SMPTEタイムコード
-
映像と音声の同期を取るときに主に使われる、時間を持った同期信号。1970年にSMPTEで規格化され現在でも使われている。映像業界ではSMPTEやLTC (Linear Time Code、または Longitudinal Time Code)などと呼ばれる。映像フレームを単位として「時間:分:秒:フレーム」という並びで、それぞれ2桁ずつ「01:36:21:16」のような数字で表される。
- SRT Secure Reliable Transport
-
インターネットでリアルタイムで映像伝送する方式のひとつで、不安定なネットワーク環境に強く、高いセキュリティで最高品質の映像が得られるのが特長。2017年にオープンソース化され、現在600社以上がパートナー加盟している。高度な制御技術により、従来方式に見られるパケットロス(データの欠落)に伴う映像の乱れや遅れを大幅に改善した。
T
- TERA Technology Radionics
-
アストロデザインが独自に開発した、映像変換アルゴリズム。これまでのスキャンコンバータ開発で培った経験を活かして開発した映像変換アルゴリズムで、解像度の拡大/縮小の両方に対応可能なフレキシビリティを持ち、高画質で、高速に解像度変換を行うことができる。
- Thunderbolt
-
Intel社が開発したデータ伝送規格。Mini DisplayPortコネクタを使う。最大転送速度は10Gbpsで、スピードはUSB2.0の20倍、USB3.0の2倍。DisplayPort1.1aとPCI Express2.0に対応し、10Wの電源供給が可能。双方向伝送が特長。
- Thunderbolt 3
-
Intel社が2015年に発表。USB Type-Cコネクタを使う。最大転送速度は40Gbps。2本のフル4K 60pのビデオを出力可能。DisplayPort1.2とPCI Express 3.0に対応。最上位のUSB 3.1 Gen2から下位のUSB2.0までをサポートし、USBと同じく給電も可能。
- TMDS Transition Minimized Differential Signaling
-
HDMIやDVIにおけるデジタル信号伝送の方式。4つの伝送チャンネルで高速のシリアルデジタルデータを伝送する。Silicon image社が開発。
- TS Transport Stream
-
デジタル放送やDVDなどにおいて、映像、音声およびデータ信号のデジタルデータを統合して伝送・記録するための多重化フォーマット。MPEG-2 TSパケット(188バイト, 204バイト)は、MPEG-2映像・音声だけでなく、MPEG-4 AVC/H.264映像やL-PCM音声などの伝送にも使用される。
- TSL UMD Protocol
-
タリー情報を伝送する規格のデファクトスタンダード。現在はVersion 5.0にアップデートされ、ネットワークも使うことができ、表示ライトだけでなくキャラクタ情報を送ってタリー機器のディスプレイに文字表示することもできる。
- TS over IP
-
MPEG-2 TS(トランスポートストリーム)をイーサネットなどでIP伝送する技術。IPTVなど、インターネットにより映像音声を伝送する際などに必要。MPEG-2 TS over IP gateway、Video over IP、Video gateway、ASI to IP converterなどとも呼ばれる。
U
- USB3 Vision
- マシンビジョンのカメラをUSB3ケーブルで接続する産業画像処理の分野の標準規格。2013年に標準化され、2019年にはVersion 1.1が発行された。USB3のポートは多くのPCで標準装備されているため専用の入力ボードが不要で、ケーブルによるカメラの給電も可能。スピードも400MB/秒 (3.2Gbps)以上と高速。抜け防止のロック機能付きコネクタが定義されているなど、運用性にも配慮されている。ケーブル長は標準パッシブ銅線で3~5m、アクティブ銅線で8m以上と短いが、マルチモード光ファイバを使用すると100mの伝送にも対応する。
- U-SDI Ultrahigh-definition Signal/Data Interface
-
光ファイバーのケーブル1本で8K映像を伝送できるインターフェース。ARIB STD-B58として2015年3月に標準規格化された。8K/4K、120Hz/60Hz、YCBCR/RGB、10bit/12bitの映像信号と32ch音声信号(22.2マルチチャネルオーディオ含む)を1本のファイバーで伝送する。
V
- VESA Video Electronics Standards Association
-
パソコン向けグラフィック機器メーカーの業界団体。解像度の標準化を目指して規定したSUGA規格やVLバス規格を策定した。 ディスプレイの取り付け金具のピッチなどでカタログに登場することもある。
- V-by-One HS
-
薄型テレビの内部において液晶ディスプレイに画像信号を伝送するためのインターフェースの一つ。ザインエレクトロニクス社により開発され。オープンスタンダードになっている。
- VGA Video Graphics Array
-
VGAは、元はIBM社によって開発された640×480・16色のグラフィックスシステムの規格のことである。ここから転じて、ディスプレイ解像度のうち640×480をVGAと呼ぶようになった。さらに、800×600をSVGA、1024×768をXGAと呼ぶ。あるいはグラフィックカード一般をVGAと呼ぶこともある。
- VRR Variable Refresh Rate
-
可変リフレッシュレート。フレームレート(fps: Frame Per Second)が固定でない性質のCG描画などに追従して適切に表示するために、フレームレートを動的に自動的に変える技術。CG側、ディスプレイ側の双方でVRRに対応している必要がある。
- VUメーター Volume Unit Meter
-
音声信号のレベルを表示するメーターのひとつで、針が左右に振れるアナログのメーター。デジタルの信号数値をそのまま表すPPM (Peak-Program Meter) と違い、人間が感じる音量を示してくれるのが特徴。その数値は0VUが基準で、メーター上では-20VUから+3VUの指示範囲になっている。機械式のVUメーターの他、モニター画面を備えた音声機器や、DAW (Digital Audio Workstation) のプラグインとしてモニタ画面上にメーターが映像として表示されるものもある。
- VVC Versatile Video Coding
-
2020年に標準化された動画圧縮標準規格で、H.266とも呼ぶ。同等の画質で比較した圧縮率はH.265の2倍で、高解像度な4K/8Kの伝送に適している。画像予測や柔軟なブロック分割などの方法を組み合わせることで高い圧縮率を得ているが、元の動画データを圧縮する際のエンコードとVVCデータを動画へ復号するデコードの計算量が増え、エンコードでH.265の10倍、デコードで2倍の負荷がかかると言われている。VR (Virtual Reality)、高ダイナミックレンジ (HDR)、360度パノラマ映像やブロック分割映像など、様々な形態のコンテンツを完全にサポートし、主に4K/8K放送で実用化が進められている。
W
- WebGL
-
Webブラウザ上でリアルタイムCGを動かすためのプログラミング言語。OpenGLから派生したライブラリで、現在では直接プログラミングしなくてもアプリを開発できる環境が多数発表されている。多くのWebブラウザがネイティブでサポートしているのが利点。「八景 デジタルアートキューブ」においても使われている。
あ~わ
- アップストリームキーヤ USK
-
映像の編集やキー合成、ピクチャーインピクチャーなど上流工程(アップストリーム)での処理において文字や画像のキー合成を使用する際、これら複数の必要な文字や画像素材をあらかじめキー合成して出力する機能を言う。複数のスーパー素材などをキー合成することからコンバイナとも呼ぶ。
- イメージセンサー Image Sensor
-
カメラにおいて、光を電気信号に変換する半導体素子のこと。レンズの向こうに設置され、イメージセンサーの上に結像された光を画像の電気信号に変換する。イメージセンサーが出力した電気信号がA/D(Analogue-To-Digital) 変換でデジタルデータ列に変換され、JPEG画像やMPEG動画になる。撮像面の大きさは、フルサイズ(35mmフィルム相当の大きさ)、 ひと回り小さいAPS-C、スマホなどで使われるさらに小さい1/2.3型など数種ある。CCDイメージセンサーから 安価なCMOSイメージセンサーへの移行や、高画質化、高機能化などを経て 非常な改良が進み、現在ではデジタル世界のいたるところで使われている。
- インフォフレーム Infoframe
-
HDMIなどにおけるパケットデータに含まれる、伝送する信号に付帯した情報が記載されたデータ。
- エクイレクタングラー equirectangular
-
日本語では正距円筒図法といい、360度映像やVRで標準的に使われている形式。360度全天周の球の画像を四角形の画像に投影する方法のひとつ。球を円筒で囲んで、球の上端と下端からハサミを入れて球面をその円筒に向かって切り開く感じで投影する。出力の画像は横が2、縦が1の2:1。画像の上や下へ行くほど球面上の画像が横に引き延ばされて歪み、上端と下端で倍率は無限になる。360度映像やVRで使うときはリアルタイムで幾何変換して四角のカメラ画像にして360度見回せるようにする。
- オンプレミス
-
プレミス(premise)は構内という意味で、コンピュータやストレージなどのサーバーがすべて自社の中にあることを言う。既存システムとの統合やカスタマイズの自由度が高く、社内ネットワークのみの構築なのでセキュリティが向上する半面、初期コストが高く、運用開始まで時間がかかること、メンテナンスや障害対応が自社負担となるなどの短所がある。
- キー合成 キーイング
-
文字や映像などを、ある別の映像の上にスーパーインポーズしたりクロマキー合成したりすることをキー合成と呼ぶ。この際、当の文字などの形状を与える信号をキー信号と言い、このキー信号を使って映像合成する装置をキーヤと呼ぶ。
- クラウド
-
クラウド・コンピューティングの略で、コンピュータやストレージなどのサーバーとその上で動くソフトウェアがどこか別のところにあり、それをネットワークから利用するもの。長所は、低コストで導入スピードが速く、従量課金制により無駄な運用コストが抑えられ、メンテナンスを外部に任せられること。欠点はカスタマイズしにくいところ。
- クラウドマスター
-
ソフトマスターの次の段階で、局内にハードウェアを設置するのではなく、局外のサーバーをインターネット経由で利用し、マスター室の機能を構築すること。設備投資/更新が不要、スペース不要で保守不要などランニングコスト削減、放送形態の変化にすぐ対応できる柔軟性、拡張性といった多くのメリットがある。一方、マスターは24時間365日ノンストップなので、クラウド利用のコスト、監視業務など種々の運用の見直し、クラウド障害時の対応やセキュリティ問題など、課題も多い。
- グローバルシャッター
-
イメージセンサーで撮影するとき、露出している間、像をセンサーの撮像面に写して撮像する、その方式。グローバルシャッターは撮像面に写った画像をあるタイミングで一気に撮像する。対になるローリングシャッターは、撮像面の一番上のラインから順次下に向かってタイミングが遅れながら撮像される。ローリングシャッターでは水平に動いているものが斜めにひしゃげたり、回転しているものが歪んだり、ストロボをたくと画面の上と下で明暗ができてしまったり、といった問題が起こるが、グローバルシャッターではそのような問題が起こらない。
- スーパーハイビジョン Ultra High Definition Television
-
NHKが研究開発を進めている、次世代の高精細度かつ高臨場感な映像システム。ハイビジョンの16倍に相当する7680×4320の高解像度、60Hz順次走査、22.2chの音響システムなどの特徴を持つ。単に8Kと呼ぶときもある。
- ソフトマスター
-
マスター室の機能を、エンコーダやスイッチャー、多重化装置といった専用の機器で組むのではなく、コンピュータのような汎用機器を多数用意し、その上に乗せるソフトウェアですべて行うこと。汎用機器(ハードウェア)は局内に設置する(オンプレミス)。
- ダウンストリームキーヤ DSK
-
映像の編集やキー合成、ピクチャーインピクチャーなど上流工程(アップストリーム)での処理をした後の映像の上に、最後に文字や画像をキー合成する機能をいう。下流工程(ダウンストリーム)での操作なのでこのように呼ばれる。また、最後に文字などを挿入することからインサータとも呼ばれる。
- タリー
-
正式にはタリーライトと言い、カメラに取り付けられた赤や緑に光る表示器のことを指す。放送現場やストリーミング現場などのリアルタイム制作で、マルチカメラが使われているとき、出演者やスタッフはこのタリーを見て、どのカメラがいま放送されているかを知る。通常、赤が点いたカメラがライブで、緑が点いたものは次にライブになるカメラを示すことが多い。
- ドロップフレーム
-
映像信号のフレーム周波数が60Hzではなく59.94Hzであるところから、タイムコード上でそれを補正するために作られた手法。タイムコードを59.94Hzでカウントアップして行くと、タイムコード上では1000秒なのに実際の時間は1001秒経ってしまっていることになり、タイムコードの表示が1000秒(およそ16.7分)につき1秒遅れてしまう。そこで毎00分ごとにタイムコードを2フレーム飛ばし、毎10分のときだけフレーム飛ばしを止めるドロップフレームの方法を用いる。
- フレームシーケンシャル
-
3D立体視テレビで、左目用映像と右目用映像を別々にそれぞれの目に提示する方法の一つで、映像フレーム毎に左目映像、右目映像、と順に切り替える方法。映像同期を受信して働く特別な3D眼鏡(アクティブシャッターグラス)をかけて視聴する。解像度劣化が無いことが長所。短所は専用眼鏡が必要なことと、1フレームの提示時間が半分になるので映像が暗くなること。
- マスター室
-
テレビ局内の設備で、局内や局外の番組素材やCMなどを番組表のスケジュールの通りに切り替えて送出するところ。主調整室、送出マスター、マスターとも呼ばれる。英語ではMaster Control Room。現在では映像音声の切り替えはすべてコンピュータにより自動化されているが、野球中継のように切り替え時間が動的な場合、緊急ニュースや災害情報などがリアルタイムで入る場合、設備のトラブルが発生したときなどは、自動から手動に切り替えて、該当部署と連絡を取りながら人間が対応する。また、送出する映像音声の最終的な品質を監視する役目もある。柔軟な対応が必要なため、常に人が配置されて業務を行っている。
- マルチキャスト
-
インターネットでサーバーから動画などのデータを配信するとき、1対グループの送信で、複数の送り先に対してデータを送り出す配信方法。相手先グループを指定するIPアドレスまたはMACアドレスが一つ付加される。送り出すサーバー側もネットワーク負荷も軽く、テレビ会議の映像音声配信や監視カメラ、動画配信などに使われている。
- モノクロセンサー
-
不良品や傷の判別など、必ずしもカラー画像である必要がない用途のデジタルカメラで用いられるイメージセンサー。カラーフィルタや赤外除去フィルタがないため感度がよく、撮影画像の画像エッジも素直に出て、見かけ上の解像度も高くなる。カラー画像を扱うためのリアルタイム画像処理も無くデータ量も1/3に抑えられる等のメリットがあり、同じイメージセンサーを使っても性能の点でモノクロの方が良くなることが多い。
- リサージュ
-
2つの信号をオシロスコープのx軸(横)とy軸(縦)に割り当てて表示することで、画面上で2つの信号の位相や周波数の関係を視覚的に確認できる機能のこと。音声信号のLとRの関係を見るときなどに使われる。この機能を発明したフランスの研究者の姓に由来し、「リサジュー」と呼ばれることもある。
- リニアPCM Linear PCM
-
音声などのアナログ信号を、一定の間隔でサンプリングし(標本化)、その大きさをデジタルデータで表現し(量子化)、デジタルデータ化することをPCM (Pulse Code Modulation)と言うが、リニアPCMはその一種。量子化をリニアに行い、圧縮などを加えないものを特にリニアPCMと呼ぶ。PCMというと単にリニアPCMを指すことも多い。
- ルーメン Lumen
-
光源から出る光の明るさを表す量。単位はlm。日本語では光束という。ある光源があったとき、その光源から出るすべての光の量を表している。1ルーメンの光源で1m²(平方メートル)の面を照らしたときの明るさが1ルクス(lx:照度)と定義される。
- レンズマウント
-
カメラ本体からレンズが取り外し可能で、両者が一体になっていないタイプの場合、そのカメラとレンズをつなげるための機構のこと。カメラ本体の種類、メーカーなどによって異なるマウントを採用しているため、レンズマウントの規格を確認してカメラとつながるレンズを選ぶ必要がある。
- ローカル5G
-
通信キャリアが進めている5Gとは別に、企業や自治体などがローカルな5Gネットワークを開設して運営できる自営の5G。技術的には通常の5Gと同じ。利用申請者の敷地の中に5G基地局を置き、5Gローカルネットワークを組んで利用する。5Gの高性能なネットワークをクローズドな環境で利用できる。