背景

2023年4月1日~5月10日に清春芸術村- 安藤忠雄 光の美術館(山梨県北杜市)にて開催されたアーティスト真鍋大度氏の個展「EXPERIMENT」における8K活用事例をご紹介します。

「EXPERIMENT」は、最先端技術の可能性の核をいち早く取り出しアートの分野で作品化する活動を続けてきた真鍋大度氏による、最先端のアートとテクノロジーの実験場です。超高速通信技術と生命知能の概念を探求する実験、実装を行い、一連の過程がリアルタイムで公開されました。

EXPERIMENT 2:Teleffectence

展示作品の一つである「EXPERIMENT2:Teleffectence」では、光無線通信技術が用いられています。その超低遅延かつ大容量という特長を活かすために、アストロデザインのJPEG XS IP Gatewayが採用されました。

本作品は超低遅延な状況下で、メイン会場のモニタ映像を撮影した映像をサテライト会場のモニタに伝送・表示して、サテライト会場のモニタを撮影した映像をメイン会場のモニタに伝送・表示して、これらが繰り返されることで合わせ鏡のような状態を作り出します。超低遅延であることで両会場の隔たりは小さくなり、2つの空間がまるで1つの空間であるかのように感じられる作品となっています。

今回の光無線通信の構成では、約0.3msの超低遅延を実現しているため、弊社装置にも同レベルの低遅延を求められました。JPEG XSによる符号化はフレーム単位ではなく、ライン単位での符号化処理であるため、低遅延での伝送が可能です。弊社伝送装置で合計した装置遅延は約1msとなり、作品に求められた低遅延を実現することができました。

表 圧縮伝送のパラメータ
映像フォーマット 8K 59.94p
圧縮レート 1/16
データレート(片方向) 2.61Gbps

機材系統

メイン会場とサテライト会場に8Kカメラを設置。JPEG XS IP Gatewayによる圧縮伝送を行い、光無線通信による超低遅延の8K双方向リアルタイム伝送を実現。伝送された映像はインターフェースアダプタで12G-SDI×4をHDMI2.1×1に変換し、70インチの8Kディスプレイに表示しました。


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関連サイト

詳しい作品の解説は特設サイトをぜひご覧ください。
記事だけでなく動画による紹介もあり、作品の魅力や用いられた技術についてより深く知ることができます。

真鍋大度個展「EXPERIMENT」特設サイト

アートによる高速通信技術の新たな可能性の実験

アストロデザインは今後も最先端技術とのコラボレーションや、デジタルアートの表現を支える製品の開発を継続してまいります。

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