背景
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下、NII)様は、情報学という新しい学術分野での「未来価値創成」を使命とする国内唯一の学術総合研究所です。大学共同利用機関として、学術情報ネットワーク(SINET: Science Information NETwork)を構築・運用しており、大学、研究機関等に対して先進的なネットワークを提供しています。2022年4月1日にはSINET6の運用が開始され、拠点間を最大400Gbpsにおよぶ広帯域ネットワークで接続することが可能となりました。
SINET6のような広帯域ネットワークにおいては、その有用性を示す方法の一つとして、データ量が大きく視覚的にも分かりやすい8K非圧縮映像(約48Gbps)のリアルタイム伝送が用いられてきました。今回は2022年5月に行われたSINET6の開通式における8K映像伝送デモンストレーションの事例をご紹介します。
SINET6開通式
NII学術情報基盤オープンフォーラム2022の初日となる2022年5月30日、SINET6の開通式典が執り行われました。
SINET6は、NIIが構築、運用している学術情報ネットワークです。全国規模の400Gbps超高速回線、5G等のモバイル網への対応、国際回線の増強など、SINET5をアップグレードしたもので、増大する通信量やIoT系研究の広範な展開、拡大する国際連携研究などを支援するだけでなく、これからのデータ駆動型社会にも対応する基盤となるものです。
式典では、関係者の挨拶、開通セレモニーのほか、SINET6に関わる講演や感謝式が行われました。
沖縄から東京への8K映像伝送
SINET6開通式の前後に8Kの映像伝送を行い、沖縄の宜野座DC(データセンター)と、NIIが入る東京の学術総合センターとの間をSINET6の回線網で接続しました。宜野座DCからの8Kライブ映像や再生した8Kコンテンツを開通式の会場である一橋講堂に伝送し、講堂に設置した400インチ超のスクリーンに8Kプロジェクターで投影しました。
宜野座DC
一橋講堂
式典参加者の皆様には宜野座DCから見える沖縄の海に加え、宜野座DCに持ち込んだ8Kレコーダから8K3D映像を再生し、一橋講堂でご覧いただきました。また式中の映像演出や資料表示用にもプロジェクターが使用されました。
機材系統イメージ
宜野座DC
一橋講堂
宜野座DCでは屋外に設置したカメラヘッド AB-4830から光伝送装置 OT-5902/OR-5903で約200m延長した場所にCCUを設置。
ビデオスイッチャーでカメラのライブ出力と8K SSD レコーダ HR-7518-Aで再生した8Kコンテンツを切り替えられるようにしました。
ビデオスイッチャーの出力を8K IPゲートウェイ IG-5114でST 2110準拠した信号に変換してIP伝送し、一橋講堂側で受信した映像を8Kプロジェクター INSIGHT Laser 37000 8Kで表示しました。
NII担当者様コメント
「御社の技術支援のおかげで、SINET6の開通式を華やかにすることができました。宜野座DCから一橋講堂までの8K非圧縮映像伝送は非常に安定していて、8Kプロジェクターによる400インチ超での映像投影はとても迫力がありました。」
関連製品
・8K IPゲートウェイ IG-5114
・8Kプロジェクター INSIGHT Laser 37000 8K
・8Kマルチパーパスカメラ AB-4830/4829
・AB-4830/AC-4829専用光伝送装置 OT-5902/OR-5903
・8K SSD レコーダ HR-7518-A
関連リンク
国立情報学研究所 SINET6開通式
https://www.nii.ac.jp/openforum/2022/day1_plenary-sinet.html
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