背景
圧倒的な臨場感や高精細感、膨大な情報量といった特長を持つ8K映像は、一方でそのデータ量の大きさが課題となっていました。しかし現在ではインターネット環境や伝送技術の進化に伴って、高品質な映像とリアルタイム中継の両立も不可能ではありません。
NHKテクノロジーズ、アストロデザイン、LiveU Japan、三信電気、NTTドコモの5社は、大容量の8K映像を安価に伝送することを目的として、2020年4月よりモバイルネットワークを利用した「可搬型8Kライブ伝送システム」の調査・実験を進めています。一般モバイル公衆回線(いわゆる携帯回線)+光インターネット回線という世界中に普及しているネット環境を利用することで、あらゆる場所から8K映像中継を実現できるようになりました。
実証実験のあゆみ
2021年11月、東京都渋谷区のNTラボにて、8Kカメラを移動車に乗せての伝送デモを実施。一般公衆モバイル回線を使用した8K映像伝送デモに成功しました。
可搬型8Kライブ伝送システム図
本システムを使えば、移動しながら8K映像を遠隔地に伝送可能です。放送以外の手段で8Kライブ中継を実現できるシステムです。地域のお祭り、花火大会、スポーツ大会、音楽ライブ等のイベントを8Kで遠隔地へ伝送し、ほぼ同じ時間に体験できます。
※公衆回線の電波状況により、画質低下や映像・音声が途切れる場合があります。
2022年8月には、実際に日本各地で実施されたお祭りや花火大会などの現場から東京まで8K映像を伝送しました。この実証実験で撮影した8K映像は、NHKテクノロジーズ様のYouTubeチャンネル【NTech Lab. Showcase】にて4K映像としてアップされています。
アストロデザインの8K映像補正技術
可搬型8Kライブ伝送システムにおいて、当社は専用8Kカメラ AA-4814-B(改)と「映像補正装置」を新たに開発、提供しました。
本システムでは、4Kライブ伝送が可能なLiveUの LU800(フィールドユニット)+ LU4000(デコーダーユニット)を4式利用します。8K映像を4分割して伝送しますが、伝送ルート(4G/5G回線やインターネット回線)の違いにより、受信側にはタイミングの異なる映像が送られてきます。AA-4814-B(改)で付加した情報を元に、このバラバラな映像のタイミングを「映像補正装置」で揃えて、8K映像として再構成し出力しています。
6月に開催したアストロデザイン Private Show 2022では、移動車両に8KカメラとLiveU×4台を搭載し都内各所を移動しながら8K生中継のデモを実施しました。
関連製品
・8Kカムコーダー AA-4814-B
※本システムでは専用改造品を使用しています
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