背景
8Kの特長は、美しい映像だけでなくその圧倒的な情報量にあります。
美術品や歴史遺産を超高精細カメラで撮影し、8Kの大画面で上映することによって、今まで肉眼で見るだけではわからなかった新たな発見をするとともに、その文化的価値を多くの人に伝えることができます。
2020年、山梨県立美術館では文化庁の「博物館等を中核とした文化クラスター推進事業」を受け、当館の保有するジャン=フランソワ・ミレーの絵画「種をまく人」「落ち穂拾い、夏」「夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い」3作品のデジタルアーカイブに取り組みました。
1枚の絵を500回、ロボットアームを使用し、カメラの位置を少しずつ変えながら撮影を行います。500枚の静止画をつなぎ合わせることで1,350億画素相当になります。8K映像が約3,300万画素ですので、8Kの約4万倍というとんでもない画素数です。
このとんでもないデータ量をPC内で処理し、8Kプロジェクターに投影することでどのような世界が待っているのでしょう。アストロデザインは美術館での上映およびテレビ山梨様の番組制作への協力を行いました。
超高精細 ミレー作品の上映
2021年2月、山梨県立美術館にて、ミレーの絵画作品を超高精細で撮影した画像やメイキングの様子を8Kで上映しました。
館内に8Kプロジェクターと再生機を設置。8Kレコーダー HR-7518からは撮影メイキング映像を再生。同時に1,350億画素もの絵画の静止画データをPCで処理。2つの映像を8Kプロジェクター INSIGHT Laser 37000 8Kにて200インチの大画面に投射しました。
この模様は2021年3月にNHK BS8K「ミュージアムコレクション 山梨県立美術館とミレー」として放送されました。俳優の鶴田真由さんと山梨県立美術館の青柳館長、同館 学芸員の太田智子さんが出演し、作品のタッチやマチエールをミクロの視点で鑑賞。西洋美術史に革新をもたらしたミレー作品の魅力に8Kで迫りました。
番組では以下のような発言がありました。
「拡大して初めてわかった」「とてもきれい」「非常に面白い」「筆のタッチもよくわかる」
山梨県立美術館では現在8Kテレビを導入し、常設の8K上映もスタートしています。ますます気軽に8Kが見られる時代が訪れようとしています。アストロデザインはこれからも文化財やアート分野における8K映像の活用を推進していきます。
利用機材・オペレーション
・8K SSDレコーダ HR-7518
・8Kプロジェクタ INSIGHT Laser 37000 8K
8Kレコーダー(HR-7518)からメイキング映像を再生し、8Kプロジェクター(INSIGHT Laser 37000 8K)で8K表示。
PCからはミレーの静止画を表示し、ズームを行うことでより細かい部分を見ることができました。
番組情報
NHK BS8K「ミュージアムコレクション 山梨県立美術館とミレー」
https://www4.nhk.or.jp/P6790/5/
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